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はぐれオス

 昨日(6月23日)午後5時ごろ、笹塚駅前の「みずほATM」でお金を下ろそうと入った時だ。2台あるATMの右側に、ホームレスのような汚れた作業服姿の60歳前後の男性が、「おかしいな、へんだぞ」と、ぶつぶつ言いながらATMをばん、ばん叩いている。

 酒の臭いはしない。しかし、人糞の臭いが強烈で、吐きそうになるほどだった。そそくさと用を済ませ、ぼくは立ち去った。笹塚には、このようなホームレスが3,4人はいる。駅で小銭をせびられたこともある。真冬なのに、肥満気味な50歳代のホームレスは、長袖シャツ1枚で、素足だった。

 6月15日、渋谷区生活福祉(旧 生活保護)課のベテラン女性相談員の話を伺った。同じ社会福祉を専攻していても、ぼくの方はもっぱら文献が中心で、現場に疎い傾向がある。それを補うために、時間を作っては現場の第一線で奮闘している彼女の話を聞いている。

 「男は駄目ね。だらしがないのよ」。10年も話を聞いているから、彼女もずけずけと本音を言う。彼女が生活相談を受けるのは、圧倒的に男性が多い。それも、中高年の単身者である。動物生態学的には「はぐれオス」と言う。

 「そもそも家庭と言うものを知らずに来たから、現在があるのよ。稼いでいる親の背中を見ていないのよ」

 犯罪者、生活保護を受ける人たちに、第一に共通するのは低学歴である。法務省の図書館で犯罪者の学歴、知能指数を知って、愕然としたことがある。中卒、もしくはせいぜいが高校中退が大半で、大卒は一割未満である。知能指数で120以上は1%未満である。一般社会では約10%前後もあるのに。

 生活保護も、莫大に書類を読んできたぼくの経験では(知能指数の詳しい統計は公表されていない)、受給者はほとんどが中学校もまともに出ず、大卒は1%前後である。年金をかけている人も2割に満たず、老後は生活保護だけが頼りとなる。

 もう一つ、共通するものが、女性が少ない現実である。犯罪者、生活保護受給者の大半は「はぐれオス」である。情けないことだが、それが事実である。

 問題は、その彼らの大半が、まともな家庭で育ってきていないと言うことだ。だから「家族」「家庭」と言うものが実態としてわからないのだ。

 ぼくたちは親の背中を見ながら育つ。ぼくの場合は北国の映画館勤務の母親が、朝食のときによく胃痙攣を起こし、祖母が背中をさすっていた。母は職場でつらいことがあると、決まって胃痙攣を起こすのだ。母を送り出した祖母は、小さな下駄屋で、近所の水商売のおばさんたちに靴や草履などを売っていた。

 ぼくは中学までそれを見ながら育った。母が印鑑を勝手に使われ、借金に苦しんだことも知っている。ぼくが映画のプロデューサーとして、借金を断固としてせず、そして現金商売に徹していたのは、母が反面教師だった。現役を引退して何年もたつが、小屋主たちにいまだに信用があるのは、「小商い」だが、言ったことは守り、前売り券を汗をかきつつ、売っていたからだろう。

 ホームレスの映画も最後に作っている。でも、ぼくはせっかくの映画を小屋で公開しなかった。ホームレスの映画の出来に、客が来ないと判断したのだ。もちろん、ぼくの出したお金は回収不可能になり、「渋谷区びんぼうさん友の会終身会長」になってしまった。でも自分の判断は間違っていなかったと思う。もし、無理に劇場公開しても、かんじんの客が一日、100人を切り(最低でも200人は欲しい)、宣伝費、小屋への最低補償料ばかりがかかり、傷をもっと大きくしただろう。

 3年間ほど、スタッフが撮ってきたホームレスのラッシュ(編集以前のもの)を見てきたが、駄目な者は駄目である事だけが良く伝わってきた。人間としての魅力がないのである。終いにはスタッフたちが、製作総括であるぼくに追い詰められて、「違う人たちなんです」と、泣くように弁解した。そのうち、主役に予定していた沖縄、宮古島出身のホームレスに「肖像権」を主張されて、メインの撮影を断念した。

 それまで、食わせ、病院の世話までしているのに、「ふざけた人だ」、と言うのがぼくの印象である。ホームレスに限らず、「はぐれオス」になるには、それなりの理由がある。沖縄の男性は孤児だった。

 ぼくは渋谷区役所2階にある生活福祉課にはあまり寄らない。6月15日に相談員と会った時も、3階の公聴まで来て貰った。2階のホームレスたちの臭いが、耐えられないのである。そんなに臭いに敏感な人だと思わないが、駄目なものは駄目である。だから、その臭いに囲まれて、黙々と仕事をやり続けているケースワーカーたちに敬意を持っている。

 「家族崩壊なんてもんじゃあ、ないわよ。もともと家族そのものがない人たちだから」。ベテラン相談員の一言、一言が突き刺さる。日を追うごとに相談に訪れる「はぐれオス」が増え続けているそうだ。

 どうすれば良いんだろうか?

 

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