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[おじいちゃん、泥棒なんだって!」ー桑原敏武区長への絶縁状

 市民社会は犯罪者に手厳しい。 

 ぼくはここ20年以上、東京地方裁判所の刑事法廷に通っている。本や映像では飽き足らず、「人間とは何なのか」、被告人をもっと直に見てみたいからである。

 詐欺、窃盗、強姦等の被告が、東京拘置所の刑務官に引き立てられて、ノーネクタイ、サンダル履きでおずおずと法廷に入廷する。それを舐めるように見ているのは被告の家族のほかに、記者、もの書き、それに時間を持て余した普通の市民である。最近は「面白い」という噂が広まり、法廷は超満員ではいれないこともある。特に(元)県知事、市長などは大法廷でやっている。

 被告人は法廷ではプライバシーはない。まず検事が冒頭陳述で年齢、出身地、学歴、家族歴、そして仕事について事実を明かす。普通、ぼくたちがどれだけ取材しても、「プライバシー」という厚い壁に阻まれ、到底聞き出せないことを、検事は淡々と述べていく.。それを赤裸々に明かされる本人、とりわけ社会的地位が高い人にとっては、着ている服を無理やり、むしり取られ、素っ裸にされているようで、見ていて、いたましい。

 じつはその前に警察(旧代用監獄)で20日以上、引ったくり、強盗、ヤクザと集団生活をしながら警察調書に協力しなければならないし、それが終われば小菅に昔からある東京拘置所で約1月、検事調書を完成させねばならない。

 全部の総仕上げが、東京地方裁判所の法廷である。被告人が何を弁明しょうが、どれだけ有能な弁護士をつけようが、有罪率は99%である。このぼくの20年余りの体験でも、「被告人は無罪」と、裁判官が断定したのは、痴漢を疑われたサラリーマンの一件だけである。

 初犯は大半は執行猶予が付く(刑務所にとりあえず、収監されることはない)が、れっきとした「前科一犯」である。それは一生、付いて回るものである。家族はひっそりと生きなければならない。犯罪を甘く見てはいけない。

 このたび、桑原敏武渋谷区長(73)が渋谷署から東京地方検察庁に「詐偽」で書類送検された。4月17日の毎日新聞、フジ、TBS等がこぞって報道している。

 07年4月にあった区長選の選挙カーのガソリン代2万3千円を4万1千円と過大に請求したのである。差額がたかだか、1万8千円である。告発したのは渋谷オンブズマンの人たちである。

 ぼくはこのときの区長選で桑原区長に票を入れた。対立候補であった元部長よりもベターだと思ったからだ。60歳近くまで、自民党系候補者に票を入れるのは、初めてだった。元部長は余りにもがさつで、下品だった。結果はぼくのような人も多かったようで、桑原区長の圧勝で、元部長の惨敗であった。

 その後の元部長の消息は何一つ聞いていない。もともと、同僚にも、部下にも人望がない人だった。

 桑原区長は演説が、珍しいほど下手だった。一度聞いたことがあるが、余りの下手さに気の毒になった。でも、もともと小役人だと思えば、納得がいく。定年間際に、前区長一家の不祥事で、たまたま「棚から牡丹餅」式に、区長の椅子に座った元助役である。見るからに小心者である。

 でも今回の詐偽で、書類送検は桑原区長らしからぬミスである。あれほどの小心者、小役人がなんと馬鹿なことをしたものだ。たかだか1万8千円、ポケットに入れただけではないか!

 渋谷オンブズマンのブログは、今まで何を言いたいのか、よく判らず、敬遠していた。でも、最近は書く人が変わったようで、読みやすくなった。特にこの「ガソリン代水増し請求」で、桑原区長を書類送検したことは、大ヒットである。渋谷署もいい加減に書類送検したわけではない。立件しないと、渋谷署の威信が問われる。

 また教育委員が月2度しか出席せずに、26万7千円の月給を取っていたことは渋谷オンブズマンのブログで初めて知った。詐欺に近い。教育委員に会いたいと言ってきたが、何年も体を張って妨害したのが(前)教育委員会次長柴田春喜(現在 資源リサイクル部長)であった。やはり「獅子身中の虫」、紛れもなく「市民の敵」だ。ぼくも渋谷オンブズマンに刺激されて、これから教育委員のことをもっと深く調べよう。

 話を元に戻したい。

 「ブルータス、お前もか」

 桑原区長だけは小役人、小心者だから、犯罪を犯さないと思っていた。しかし、送検されれば、話は別である。渋谷署の代用監獄、東京拘置所、東京地裁刑事法廷、そして「前科一犯」の烙印を押される可能性が大きくなってきた。そして、お孫さんに言われるだろう。

 「おじいちゃん、泥棒なんだって!」

 

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コメント

自遊人さま

桑原区長さんの今回の事実、
存じ上げているだけに、
知りたくもあり、知りたくもなし
と言った事件です。

巨悪が暴かれずにいるのに
と思うと、公人はなかなか厳しい席に
座っていると自覚しないといけないですね。

私にとって犯罪論議は難しいです。
天に唾すると顔にかかりそうで。

解り易い人生を歩みたかった。
          NGO仲間

投稿: NGO仲間 | 2009年4月18日 (土) 23時46分

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