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ある下請け録音マン一家の人生

 ここ20年間、身の周りに起こった「激変」を最初に書きたい。なんと言っても、1989年の「ベルリンの壁崩壊」である。共産主義下にあった東ベルリンの市民が、目の前に立ちはだかるコンクリート製の分厚い壁を自分たちの手でぶち壊したのだ。

 それまでの共産主義、社会主義というシステムが、どうしても受け入れられなかったのである。「ベルリンの壁崩壊」がやがて、ソ連邦の解体、そして中国、インドなどの市場経済流入をやがて促した。それが回り、回って、やがて渋谷区の納税者であるぼく(それまで同情的だった)が、単労(清掃、用務などの単純労働の高給職員)駆除の遠因となる。駆除の目標は「既得権の壁崩壊」である。

 かんじんの日本はバブル経済最高潮のときから、やがて「失われた10年」の不景気を耐えなければならなかった。その間に圧倒的に普及したのが、インターネットである。

 95年にオーストラリアで家族で夏休みを過ごしていたが、ケアンズ近くの牧場を管理していた友人がインターネットを駆使していたのを見て、衝撃を受けた。こんな便利なものがあったのだ!それまでワープロで原稿を書くことばかりで、パソコンを使うことはなかった。

 社会主義、共産主義の実質的な崩壊(中国はいまだに共産主義国を自称しているが)、それにインターネットの全世界的な爆発的な普及で、身の周りは大きく変わった。特にインターネットの影響は根底的だ。

 まずは新聞、週刊誌、雑誌が惨めなほど売れなくなったことだ。まず新聞だが、毎日、サンケイがやがて消えていくだろう。周りでもその2紙を購読している人はほとんどいない。週刊誌でも、「週刊新潮」が、今度の朝日新聞支局襲撃事件の取り返しのつかない誤報で、いずれ廃刊になるだろう。誤報だけでなく、今までおもしろ、おかしく書かれた人たちが裁判に訴え、その慰謝料だけでも最近、とみに巨額になりつつある。芸能人たちの「週刊新潮」への逆襲である。新潮社はこの慰謝料を払えるのか?

 やがて発行元である新潮社そのものが、市民感情の反発で、全国の公立図書館から駆逐される可能性がある。雑誌市場もこのリーマンショックも加わり、廃刊ラッシュである。広告が取れないのである。

 単行本も初版が2000部で、返品がその半分ということも実際に起きている。そもそも、若い人たちは活字を敬遠するのである。パソコンで大半の用を達する。

 そしてテレビさえも見ない。我が家でもNHKは見る時があるが、パソコンを見ている時間の方が長い。民放のバラエティはさもしい、下卑た感じがして、敬遠している。やがて、そこにCMを出している商品も同じように下品と思われ、消費者から遠ざけられるだろう。

 活字、漫画媒体、そして民放のバラエティ番組がまったく売れず、作家、編集者、そしてテレビ局員の年収が目に見えて減っていく。渋谷区の高級マンションを泣き泣き手放す人が増えてきている。ぼくに言わせると、今までが取り過ぎなのである。

 下請けから搾り取る構造も、最近では下請け自体が食えず、崩壊状態にある。親のコネで入社した幼稚舎から慶応ボーイの若い社員が「おれは日本テレビのプロデューサーだ」と、ロケ現場で女優たちに囲まれ、つい威張ると、今では事件が突発する。

 この不況でギャラが手取り月30万円から20万円に下げられ、「廃業」を覚悟した43歳の下請け録音マン(秋田県大館市出身。日本映画学校録音部卒業。渋谷区の水道道路沿いの2DKの都営住宅に、スーパー「ライフ」のレジでパートをしている奥さん(元大館の中学校での同級生)と笹塚中学校、笹塚小学校に通う3人の子どもと住んでいる)から「だからなんだ、威張るな。もっとちゃんとしたロケ弁(撮影現場用弁当ー最近は経費節減で鳥の空揚ばかりが目立つ、貧弱なものになっている)を食わせろ。馬鹿やろー」と、マイク棒(遠くから音をとるときに使う)で頭をどつかれるだろう。

 昨年から今年にかけ、100年に1度の大恐慌時代に入っている。下請け録音マンもこの事件で職を失い、渋谷職安で新しい仕事を探さなくてはならない。いくら渋谷職安でも、月手取り20万円の仕事はそうはない。ましてや彼は43歳である。食い盛りの子ども3人を抱え、これからどう生きていくのだろう・・・

 この下請け録音マンの困窮と、まったくの別世界が渋谷区にある。それは渋谷区単労職員の世界だ。清掃、用務等のおじさん、おばさんが年1000万円を取る世界だ。日本映画学校の校長だった今村昌平(カンヌ映画祭で2度のグランプリを獲得した日本を代表する監督)でさえ、届かなかった金額だ。時間給1000円の「ライフ」のパートの奥さんが知ったら、呆然とするだけだろう。夫婦合わせて300万円の世界である。

 単労は都内23区の中でも、千代田(3,04)、中央区(2,99)(2区とも住民が極端に少ない富裕区。千代田区約4万6千人。中央区約10万8千人)についで、渋谷区は人口千人あたり単労が3番目に多い(2,71ーただし人口が約20万人)。単労の人員から言うと、千代田139人、中央区322人、そして渋谷区が532人(08年4月1日現在)と異様に数が多い。

 面白いのはダントツの貧困区、足立区(戦後、都営住宅を集中的に作ったため。人口が約63万人)の単労が401人で人口1000人当たり人数が0,63である事実だ。貧しい区ほど、単労駆除には熱心だ。単労に年収1000万円を保証するだけの余裕がないのが実情だ。

 「金持ち、喧嘩せず」

 何回も言うが、これが渋谷区住民の本質であった。そもそも余り、自分たちが住んでいる区に興味がなかった。衆議院、参議院選挙は6割近くの人が投票するが、区会議員、区長選挙は4割程度である。軽視、無視してきたツケがゴミ拾いのおじさん、便所掃除のおばさんに年1000万円も払うことになる。

 この縁故採用が多いおじさん、おばさんは自治労の闘士でもある。自分たちの既得権を死んでも手放しはしない。そもそも、住民とは話をしない。常に課長、係長を表に出し、自分は絶対といって良いほど前面に出てこない。ほとんど働きもせず(緑のおばさんの実働は1日3時間)、ただ税金の甘い汁を、ヤミでちゅうちゅう、吸っているだけだ。そして本体を腐らす。だからぼくは「白あり公務員」と名づけた。

 駆除しょう。

 総務省も都庁もあまりの単労の年収の多さに、何度も渋谷区職員課(黒柳貴史課長)を呼びつけて是正を促しているが、効果が薄い。単労の「強い味方」が幹部に隠れているからだ。一人名指ししょう。清掃リサイクル部長(前教育委員会事務局次長)柴田春喜である。平気で嘘をつく人である。

 単労の新規採用をしているのに頑強に「していない」と言い張り続け、職員課から証拠をもらい、それを突きつけて、ようやく認めた男である。50歳代、長野高校、明治大学政経学部卒業、部下からの評判は同じ明大卒の子ども家庭部長久保田幸雄に比べると、はるかに良い。部下には好評で、実際、毎日、駆けずり回っているのを目撃している。

 でも、それは表の顔であって、実際は頑固で、渋谷区の納税者にとって、憲法で定められている「奉仕者」とは縁遠い。あくまで、「単労」「職員」の味方である。そのためだったら平気でぬけぬけと、ドキュメンタリ作家の面前でも「嘘」をつく。

 宇田川町に隠れ住む「市民の敵」である。

 下請け録音マンの一家は途方にくれている。録音マンは次第に無口になっていく。不景気の波はまず、こんな下請けに来る。成績がよい長男は家計を助けるために、高卒のまま、就職する可能性が強い。本人は都立きっての進学校・西高が希望である。長女、次男も大学進学は無理だろう。それでも、パートのお母さんの給料から確実に税金が差し引かれている。その税金の一部は確実に「白あり公務員」の1000万円の年収になる。そして「単労の守護神」柴田部長の1300万円の年収、それは南武線に買った新居のローンに化ける・・・

 「ベルリンの壁」ならぬ、「白あり公務員の既得権の壁」、そして柴田春喜部長に代表される「単労の守護神の壁」は分厚い。しかし、東ベルリンの市民たちが自分たちの手で崩壊させたのだ。「白あり公務員の既得権の壁」「単労の守護神の壁」をぶっ壊せないわけはない。元録音マンだけではなく、子どもたちも立ち上がり、「おかしいよ」といい始めよう。徐々にではあるが確実に壁は壊れていく・・・

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コメント

自遊人さま

今回自由人さまの「白アリ」の意味が
実感をもって理解できました。

私には強烈な「白アリ体験」があります。
幼少時の実家の庇を支えていた柱が白アリに
やられてて、数年後には庇が落ちたのです。

放漫な一家の主だった父は「柱ぐらい白アリに喰わせてやれ」
と無策の一方、私達子どもには「危ないから庇の下は通るな」
と禁止令を出していたのです。

数年かかってある日、とうとう柱が折れ庇が落ちて
地面に割れ瓦が落ちているのを発見下私は
落ちて来る瓦の下に誰もいなくて良かったと
ホッとしたのを覚えています。

渋谷区の皆様方、白アリに喰われた「渋谷区の柱」を
萎えないようにしないとアブナイですよ。

ちなみに私はベルリンの壁の
小片を持っています。
ご希望の方に差し上げますよ。

        NGO仲間

投稿: NGO仲間 | 2009年4月17日 (金) 01時21分

自遊人さま

今回自由人さまの「白アリ」の意味が
実感をもって理解できました。

私には強烈な「白アリ体験」があったです。
幼少時の実家の庇を支えていた柱が白ありに
やられてて、数年後には庇が落ちたのです。

放漫な一家の主だった父は「柱ぐらい白アリに喰わせてやれ」
と無策の一方、私達子どもには「危ないから庇の下は通るな」
と禁止令を出していたのです。

ある日、とうとう柱が折れ庇が落ちて
地面に割れ瓦が落ちているのを発見下私は
落ちて来る瓦の下に誰もいなくて良かったと
ホッとしたのを覚えています。

渋谷区の皆様方、白アリに喰われた「渋谷区の柱」が
萎えないようにしないとアブナイですよ。

ちなみに私はベルリンの壁の
小片を持っています。
ご希望の方に差し上げますよ。

        NGO仲間

投稿: NGO仲間 | 2009年4月17日 (金) 01時27分

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